京都府編Ⅰ
東海自然歩道と寄り道登山
2023年3月7日~5月18日

2023.3.7  笠置橋―高山ダム―押原   18.6km
2023.4.26  押原―童仙坊山荘     11.5km
2023.4.27 童仙坊山荘―鷲峰山―郷之口 20.1km
2023.4.28  郷之口―宇治橋       9.3km
2023.5.17   宇治橋―西笠取      14.1km
2023.5.18   西笠取―岩間寺      4.7km
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         合計歩行距離      78.3km
寄り道登山     鷲峰山       682m

奈良県境の笠置山から始まり滋賀県境の岩間山で終わった京都府南部の東海自然歩道を振り返ってみると、他県にはない特徴が見えてくる。
奈良県の自然歩道は山野辺の道のように、山裾をたどり山頂を目指さない道だった。
一方、京都府南部の歩道は笠置山、鷲峰山、岩間山と3つの山を登る自然歩道である。しかし、実際に歩いてみる登山とは少し違う山旅だった。笠置山には笠置寺、鷲峰山には金胎寺、岩間山には岩間寺(正法寺)があり、今でも多くの参拝者で賑わっている。近隣の参拝者のため寺には四方から参詣道がある。これらの参詣道を利用し、参詣道と参詣道の間を道路で結んだものが京都府南部の東海自然歩道である、というのが私の見方である。
山頂部が寺の境内なので山頂部の手入れはされているが、欠点もある。まず入山料なる料金が必要になる。次に、車道ではない歩道の参詣道の手入れがおろそかになっている。特に岩間寺の参詣道はひどい道だった。また、寺にとっては山の山頂はあまり意味がないためか、笠置寺、岩間寺の境内図には寺の歴史的遺物等の場所は描かれているが、山の山頂がどこにあるかは描かれていない。一方、鷲峰山金胎寺の山頂には宝篋印塔があるためか、道もよく整備されていた。3山の山頂部に立つつもりだったが、結局山頂に立てたのは鷲峰山だけだった。

3/7 前日は奈良県の東海自然歩道の柳生から笠置橋まで歩き、橋のたもとの宿、与一に泊まる。奈良県の歩道を
8日間かけて歩き終えたので、軽く乾杯する。なお、笠置橋までの京都府の部分3kmは奈良県で記した。    
    

8時 笠置橋から歩き始める。寒い朝で気温は5度ほど?で手袋着用しても寒い。地図を見てこの日は一日道路歩きかと思っていたが、右は線路のすぐ脇左は木津川の崖っぷちを歩き、しばらく行くと木津川のすぐ川べりを歩く。朝の2時間弱は木津川と関西線に挟まれた景色の良い歩道を歩けたので、残りの道路歩きも苦にならなかった。予想外の拾い物をしたかんじである。
 
 8:00 笠置橋と前日歩いた笠置山              笠置橋

 
 8:10 木津川沿いの道               振り返ると岩がゴロゴロ


8:14 塀の中は関西本線          8:16 木津川が下に見える

 
8:20 線路のすぐ脇を歩く              8:22 電車が来た、怖いぐらい近い
 
8:35 木津川の支流・布目川沿いの道に入る   8:41 布目川は甌穴群(小石により川底に丸い穴ができる)
                        で有名。どこかに穴があるかな?
 
9:00 布目川を離れ木津川方面に戻る  9:05 木津川に戻る。潜水橋がある。四国ではたくさん見たが

 
                            潜水橋の上から木津川上流方面

 
9:33 木津川沿いの道、小さな堰があったらしく水量が増える 9:34 左は直ぐ水面、しばらくこんな道

 
9:42 林道に出る                 9:51 舗装道路に出る 

 
10:00                           10:24 大河原大橋から大河原の町
                              木津川はここで南から北に流れるようになる 
          
10:50 流れの方向を変えた木津川          11:10 高山ダム?と思ったが違った

 
11:40 高山ダム:高山ダムは木津川の支流・名張川にある。大規模なダムだった

 
11:47 ダムからは次回登る童仙坊の山々が見えた  12:51 ダムから1時間下り坂を歩き、木津川(本流)を
                             渡る

 
13:30 月ヶ瀬駅近くの集落、ここからまた上り坂    14:30 今日の歩行終了地点、押原は近い

14:45 押原の歩行終了地点着。さらに大河原駅まで2.5kmを50分(休憩含む)かけて歩く。
大河原駅での情報:南山城村では今年3月より「村タク」制度が発足し、電話予約すれば1回300円で村内どこでも運んでもらえ、村民以外でも利用できるとのこと。これは大助かりである。

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4/26早朝に自宅を出て、関西線大河原駅から「村タク」で前回歩行終了地点、押原に着いたのは10時過ぎ、生憎の雨だ。1週間程前の天気予報から26日は雨に変わった。本来なら延期すればよいが、するとゴールデンウイークにぶつかる。今日の行程は県道歩きだけで、午後には晴れるとの予報に賭けて決行した。
雨は小雨、風は無し、県道は広い、ゴアの雨具、傘、汗をかかないようにゆっくり歩く。
11時雨は止まない。所々の木には薄紫の花、藤の花である。今年は藤の花の当たり年だと誰かが言っていた。登りが延々とつずく。黙って歩く。
12時まだ雨は止まないが野殿に着いてしまった。登りは終わりだ。予定より大分早い。
        

 
10:10 押原の歩行開始地点             11:20雨の林道を黙々と歩く

 
12:30 野殿、屋根付きの休憩所があり有難く使わせてもらう  おかげで濡れずに昼食が食べられた

13時半雨は霧雨。童仙坊山荘着。この山荘に泊まれれば理想的だったが、生憎予約できなかった。
14時童仙坊山荘からさらに県道を行き、林道入り口で今日の歩行を終える。雨はいつの間にか止んでいた。今夜の宿、大河原駅近くの清風荘まではまた「村タク」。

 
13:20 童仙坊五番              五番付近にわざわざ脇道に入り、100mほどこんな道を歩く。この道を通るのにだいぶ迷う。他は全て舗装された道なのに、なぜ100mだけこんな道があるのか不明。
 
13:30 童仙坊山荘、ここに泊まれたら楽だったのだが  13:45 明日のためにもう少し歩く

東海自然歩道を歩いていると、靴には悩まされる。始めは革の登山靴だったが、道路歩きが多いのでハイカットのトレランシューズに変えた。トレランシューズは高価だし道路を歩くためか、底の減りが早いように感じる。最近は道路歩きの多い関西圏中心なので、今度は5千円程度の防水ウオーキンググシューズに変えた。が問題なく歩けた。しかし、雨の中の歩きには耐えられなかった。前日に防水スプレーをしておいたが効果はなく、靴、靴下はぐっしょり濡れていた。ただし、歩行中は少し濡れてきたかな、程度の感覚で違和感なく歩けたし、翌朝までには靴、靴下ともに乾燥でき復活した。

「村タク」:南山城村が2023年3月から始めたサービス。1人300円で村内何処へでも運んで貰える。村民以外も利用できる。前日までの予約必要。080-9593-4943
 私は今回3回利用した。「村タク」に感謝である。「ありがとうございました」

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4/27 8時、「村タク」で童仙坊の集落の外れ、昨日の歩行終了地点へ行き歩き始める。快晴無風、登山日和だ。登りはすぐに終わり、後は延々と緩い下りの林道が続く。
見晴らしの良いところに来ると、これから登る山が見える。名前は鷲(わし)いや違った、「わし」と書くけれど「わし」とは読まないで?なんと読んだっけ、しょうがない、「わし」の次の字は?優しそうな難しそうな字で、これも思い出せない。鷲羽岳でないことは確かだが思い出せない。しばらく歩きながら頭をひねるが出てこない。仕方がないので登山地図を見る。鷲峰山と記され「じゅうぶさん」と読みがなまで付いている。80歳を過ぎて物覚えが悪くなったのではなく、鷲峰山を「じゅうぶさん」と読ませるから覚えられないのだ、と言い訳をしながら歩く。
     
 
8:10 今日の歩行開始地点、原山に向かう狭い林道に入る  8:30 童仙坊と和束町の峠

 
8:50 緩い下りの林道、山中の茶畑への軽自動車に出会う  9:10 ここで休憩

 
9:20 鷲峰山?が見えてくる                9:50 和束町が近ずき茶畑が増える

 
10:00 和束町が近ずく                 10:30 和束川を渡ると鷲峰山への登りが始まる

林道が終わると茶畑が続く。黒いベールを被った茶の木が多い。ベールを被り大事に育てると上等な茶に育つらしい。宇治茶の大半がこの地・和束町(わずかちょう・この字も読めない)で生産されるとのことだ。
下りが終わり、和束川を渡るといよいよ鷲?山への登りが始まる。何だっけもう忘れている。・・・また地図を開く。1時間も経つともう覚えていない。歩きながら何回山の名前を思い出そうとしただろう!
 
10:40 鷲峰山参道の石柱         11:20 日当たりの良い茶畑脇の旧坂の参道、この景色を
                          見ながら昼食
 
11:50 茶畑の上は林道の参道            12:50 最後は登山道気味の参道

 
13:00 鷲峰山金胎寺山門、本堂等は山頂部に散在している  13:10 山頂、宝篋印塔がある

 
14:10 下山路は車が通れる林道          15:10 延々と林道を歩く

 
16:20 田原町の市街地に入る           16:50 郷之口バス停に着く

ちょっと寄り道して鷲峰山山頂(682m)に立ち、郷之口までの長い下山路を歩き終えた。久しぶりに20km、9時間の歩行となった。最後は筋肉痛になったが歩き通せた。
夜、宇治の居酒屋で隣客との会話でも「今日登った山は鷲(わし)ではなくて・・・」となってしまった。これは酒が入っているせいにした。

この文章を書きながら鷲の字を拡大して良く見て、気が付いた。鷲の字の中に就が隠れていることを。鷲の冠が就なので鷲のオン読みは(しゅう、じゅう)なのだと。登山中は老眼鏡はかけないので字がハッキリとは見えなかったのだ。
峰という字も忘れてしまうわけも考えてみた。峰の意味は山、山頂である。最後の字も山なので、峰の字は無くてもよいことになる。と考えると忘れてしまっても許される理由になる。
昔、地元の人はこの山を鷲峰(わしのみね)と言っていたが、山頂に金胎寺という寺が出来、その山号を鷲峰山(じゅうぶせん)としたので以後これが山の名にもなった、というのが私の想像である。

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4/28 昨晩の宿は宇治平等院そばの塔見茶屋だった。料理が評判のようだが1人の場合は夕食無しとのことで、近くの居酒屋で夕食をとった。しかし、入浴後外を歩いて居酒屋に行くというのがどうも馴染まない。やはり旅館に泊まってそこで夕食というのが好きだ。だからホテルにはあまり泊まらない。
28日の歩行予定は昨日歩行終了地点・郷之口から宇治まで県道歩き、宇治で観光後時間があれば次回のために、2時間分ほど先に行ければと考えていた。
 
                             宇治川べりにいたサギ、手が届くほど近ずけた
 
9:20 郷之口の小さな神社で出発時の支度をする    9:30 しばらくは幹線道路脇を歩く

 
10:00 休憩地点 休憩後矢印方向に歩くが間違いだった 10:37 幹線道路から脇道に入る

 
10:39 良い感じだがこれが道?           10:41 ??? 

 
10:44 荒れているけど道らしい           10:48 道らしくなってきた

 
10:53 倒木がゴロゴロ               10:58 残念!県道に出てしまった

 
11:05 ❓ここは左側の道を行く            11:12 また良い感じの林道になるが

 
11:28 この道はすぐに終わった           11:35 白山神社山門

  
11:50 宇治川に出る                12:15 宇治橋手前の朝霧橋

12:30 宇治橋に着いた所で今回の歩行を終える。午後は宇治上神社、宇治神社、平等院に参拝し帰宅する。
今日の行程は全て車が走る道路と思っていたが、1か所ミステリーゾーンのような場所があり、道を間違えたのではないか、??と思いながら、ワクワクしながら歩いた。長い時間歩いた気がしたが、後で記録を見ると、たった20分間だった。

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5/17 5/17~18に東海自然歩道の宇治から石山寺駅まで歩いた。
今回の行程の8割は道路歩きである。そこで、爽やかな5月に歩こうと計画したが、生憎なことに気温が30度を越えるとの予報で、暑さでバテない様に考えながら歩いた。
道路は山の中にあり、木が道路脇まで生えており、車の往来は少ない。そこで木陰のある側を選んで歩けば日にあたらずにバテナイのではと。ということで、この木陰の次は道路の反対側のあの木陰で、その次は・・・。木陰選びにに集中していると道路歩きの辛さを忘れ、距離を稼ぎ、いつの間にか次の休憩時間が来る。
暑い日の道路歩きには休憩が必要で、休憩には場所選びが大事となる。
年寄になると5分の休憩時にも座りたくなる。しかし、平らな地面に座るのは論外である。平らな所は座るのも大変、立ち上がるのも大変なので、それなら立って休憩した方がよい。
休憩には上部が平らで高さが30cmほどの石か直径30cmほどの水平に置かれた倒木が最適だ。休憩時間が近ずくとこれ等を探しながら歩くことになる。登山道には休憩に丁度良い腰掛けられる石や倒木が多いが、道路には腰掛けられる物が少ない。人家のある所だと石の階段も候補だが、さりげなく椅子やベンチが置かれていると嬉しい。
今回も適当な休憩場所が少なく、休憩場所を求めて道路わきの小さな沢に5mほど入ったり、倒木を探しに緩い斜面を登ったりして座れる物を探した。そんな中、新しい休憩場所を発見した。それは道路脇のU字講である。縁が座りやすく水の無いU字講を見つけ、U字講の中に足を入れ縁に腰掛ければよい。私がU字講で休んでいる時、たまたまトレランの人が通りかかり、何か怪訝な顔をしながら走り過ぎていった。この休憩場所の欠点は見栄えが悪く、車に近く危険なことだ。車が少ない道路の最後の選択肢として覚えておこう。

9時にJr宇治駅から歩き始める。               9:15 宇治橋・今日の歩行開始地点                  

 
宇治橋から今日の第一目標・仏徳山           宇治橋より上流方面

 
9:30 宇治上神社本殿(国宝)で旅の安全祈願     9:40 宇治上神社脇の道が東海自然歩道

 
9:50 木立の下の良く手入れされた道         10:00 仏徳山の展望台から

 
10:00 展望台は市民の散歩道のようだ        10:20 仏徳山からの下りも涼しい良い道

 
10:40 仏徳山の散歩道もここで終わり、後は暑い道路歩き 10:50 道路が180度曲がっている、地図の通りだ

 
11:30 砂利採取場、砂利トラが何台も傍を通る     12:00 三差路に出ると久しぶりの集落・炭山

 
13:10 集落を出て隣の集落への林道、日陰を選んで歩く 14:10 次の集落・西笠取に入る

14:20 今日の歩行終了。タクシーで宿へ。宿は宇治上神社の下の旅館・亀石楼、美味しい料理だった。

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5/18 8:40 昨日の歩行終了地点へタクシーで行き歩行再開。今日も暑くなるとの予報である。
直ぐに道を間違える?(地図の赤点線の林道を歩く)。分岐点で左右を見たが指導票はないので太い方の道を行く。しばらく行くと東海自然歩道の道標がある。しかし、ヤマレコのナビ機能が間違いと告げ始める。地図を見ると歩いている道とヤマレコの言っているだろう道はいずれ合流しそうなので、そのまま歩く。合流地点でよく見たが、ヤマレコのいう道が東海自然歩道とは何処にも書いてなかった。ヤマレコの進める道は現在荒れているかもしれない。
         
 
8:40 西笠取の村外れが今日の出発地点       8:50 

 
9:10 ずーっと上り坂がつずく            9:30 西笠取と東笠取の間の小さな峠

 
9:33 清瀧宮・寄り道参拝                 9:50 東笠取への下り

 
9:55 電波塔の所がこれから登る岩間山        10:00 東笠取の集落

 
10:05 岩間山への参拝道

 
10:20 落葉が道を覆っている            10:40 参拝道か沢か不明な所も

 
11:10 岩間山・岩間寺(正法寺)着

岩間山・山頂は寺から離れている。山頂への道は電波塔への道のようで、部外者は立ち入り禁止の標識がある。しばらく迷ったが「立ち入り禁止」の標識を尊重することにし、石山寺駅に向かった。
岩間山からは滋賀県にはいるので、以下は滋賀県の部で記す。

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