グルジア(ジョージア)横断歩行・前
2000年9月5~8日
ユーラシア・ワンの一環としてジョージアをトルコ国境からアゼルバイジャン国境まで歩いた。


ジョージア(グルジア)西部
赤線:歩行経路

   「以下、敬称略」また、土屋 作の「日誌グルジア踏破」を参考にしました。

                       メンバー
                             和田 航一 ワンゲル3期
                             土屋 淳一 ワンゲル4期
                           リーダー 石塚正太郎 ワンゲル5期
                        会計   新井 清  ワンゲル5期
                        記録   安藤 潔  ワンゲル7期
                        ビデオ  荒井 龍男 ワンゲル8期

                       ガイド支援
                        オレグOLEG(トーメンモスクワ、ロシア人)
                        ギアGIA(トーメンジョージアREP)
                        ユーリー(チャーター車ハイエースの運転手)
        
ジョージアGeorgia:日本では2015年までグルジアと呼称していた。ソビエト連邦の構成国だったが1991年ソ連崩壊に伴い独立したが独立後も国の北部では内戦が繰り返されていた。北はロシア、東はアゼルバイジャン、南はトルコとアルメニア、西は黒海で囲まれ、面積は北海道より少し小さい国。民族はジョージア人、宗教はキリスト教、言語はジョージア語が多く次いでロシア語、経済は農業主体である。
今回の歩行ではトーメン(株)、トヨタ自動車の好意によりオレーグ、ギアの2名を通訳、道案内として付けてくれるという破格の援助を頂いた。英語は一部のホテルでしか通用しないので、何か伝えたい事があると、我々(日本語ー>英語)、オレグ(英語ー>ロシア語)、ギア(ロシア語ー>ジョージア語)によりやっとジョージア人に伝わることになる。
内戦等で多数の難民が生まれ、ホテルや空きビルに居てホテルも不足気味であり、都市以外にはホテルが無いとの事で、伴走車を用い多人数で短時間にジョージア全土を歩く方法を取った。まず一日の歩行区間を3つに分け、2台の伴走車がメンバーを出発地点に送り届け、歩行後はピックアップしてホテルに向かう。歩行中も随時伴走車が歩行者の安全を確認するという形態を取った。

9/3 夕方トルコ・イスタンブールにメンバー全員集合。
9/4 トルコのジョージア領事館でビザ取得。午後は観光。
9/5 イスタンブールより国内空路でトラブゾン、バスでジョージア国境へ、国境通過に約1時間かかる。
 15:40(現地時間) ジョージア国境より歩き始める。黒海沿いの道を今日のホテルのある町に向けて歩く。
 19:45 歩行終了
歩行1日目
 歩行区間:トルコとの境Sarpi~Batumi (Batumi泊)    
 歩行者:土屋、石塚、安藤      歩行距離:15km

 
イスタンブールにて、左より安藤、土屋、新井、和田、荒井  トルコ側国境にて 左から二人目が石塚
9/4は私の60才の誕生日、イスタンブールで最高の誕生祝いをしてもらった。

 
 ジョージア側国境より歩きだす    黒海沿いの道を歩く。(以下写真中の時間は+2時間が現地時間)

 
 ジョージアは黒海のリゾート地、ひと泳ぎしたいけど・・    小さな岬を越えると

 
 水平線まで続く砂浜と何故か青い黒海             道は海岸から離れるが街路樹が涼しい
 
 
 ジョージア語と英語でチョルフ川と書いてあるらしい  休んでいると近所の人が集まってくる、皆笑顔だ

 
 日本と違って道路の境目がハッキリしない          今日の宿泊地バトゥミに到着

9/6 歩行2日目
   歩行区間:Batumiー>Kobuletiー>Urekiー>Supsaー>Lesa   (Ureki泊)
   歩行者:  1班 和田   2班 新井、荒井   3班 石塚、安藤   ナビ 土屋  
   歩行距離:各班25km(計75km)(車の走行距離による)
アジャリア自治共和国:トルコ国境からKobuleti先まではジョージアではあるが自治を認められた共和国との事。アジャリア共和国とジョージアとの境の検問所では車を止められ、ユーリーが話を聞かれた。

9:15 1班出発。2、3班は車で出発地点に向かう。途中黒海が見渡せる高台に寄る。
10:00 25km地点で2班の出発を見送り、3班の出発地点目指して車を走らせる。
10:30 アジャリア共和国との検問所通過。Urekiを過ぎると道は黒海を離れ、内陸に向かう。
11:30 3班(私を含む)歩き始める。今夜の宿は黒海沿岸のUrekiなので、3班は75km地点から50km地点に向かって歩く。夕方になると私の歩くペースが落ち、石塚さんとの距離が離れ、だいぶ迷惑をかけたようだ。
18:00 歩行終了。宿は黒海のすぐ前なので皆で泳ぎに行く。

 
高台より黒海とBatumiを望む                 石塚とチャーター車のハイエース

 
3班石塚                        3班安藤、いつも遅れ気味だ

 
左からオレグ、ギア、土屋、和田、新井、安藤  30分程黒海で泳ぐ。砂浜、遠浅、透明、あまり辛くない

9/7 歩行3日目 歩行区間:Lesaー>Samtrediaー>Kutaisiー>Terjola   (Kutaisi泊)
 歩行者:1班 土屋(25km) 2班 荒井(25km) 3班 安藤(16km) 4班 石塚、新井(30km)
     ナビ車 和田
 歩行距離:96km  この日から道路脇の表示板の距離を使う。各班25km歩く予定だったがKutaisiはジョージア第2の都市なので、私の歩行は市街地の入口までとしたので短くなった。

携帯電話:2000年当時ジョージアでは辺鄙な田舎でも多くの人が携帯電話を使っているのに驚いた。日本でも普及し始めていたが、日本の物は海外では使えなかった。そこで、歩く会として何台か衛星電話を日本で借りてきたのだが、日本へはつながるが、衛星電話間やジョージアの携帯には繋がらなかった。
ジョージアでは固定電話はほとんど普及していないのに、携帯電話はだいぶ普及しているようだ。

9:00 宿を出発。
9:30 1班、土屋出発。  10:00 2班、荒井出発。  10:30 3班 安藤出発。
 この日は歩行距離が少なそうなので、道路脇の露天でメロン、桃、トマト、ブドウ、アイスクリームと味覚を楽しみ、木陰での休息を楽しんだ。
16:45 私の区間の歩行終了
20:00 ギアさんの家がKutaisiクタイシという事で、夕食に招待される。テーブル一杯の家庭料理とワイン、私(小麦粉アレルギー)のために全て小麦の入らない物との事、感謝である。ギアさんは43才、子供2人、トーメンでトヨタ車を売っているとの事。トヨタ車はジョージアでも人気らしいが、本人はボルボに乗っている。
注)写真中の時間は9/7より現地時間に訂正した。
 
 1班・土屋、背が高いためか歩くのは早い     2班・荒井

 
 幹線道路なので道幅は広いが車は少ない       木陰で果物を食べながら一休み
(写真中の時間は現地時間に訂正した)
 
                    ギアさん一家4人と

9/8 歩行4日目 歩行区間:Terjolaー>Zestaponiー>Khasuri   (Borjomi泊)
   歩行者:1班・荒井、安藤(27km)  2班・和田、土屋(27km)  3班・石塚(29km) ナビ・新井
   歩行距離:83km

ジョージアの分水嶺:ジョージアの北と南は山間部でその先は隣国となる。北と南の中間部は平野で東から西へ長く続く。ジョージアの東西を結ぶ幹線道路E60はこの平野部を通っており、我々はこの道を歩いている。しかし、この平野部にも1か所、南北に連なる標高1000m程の山々を越えなければならない。それが9/8に歩くリコティ峠Rikoti Passである。リコティ峠の西に降った雨は西に流れて黒海に注ぐが、東に降った雨は東に流れアゼルバイジャンに入り、アラフラ海に注ぐ。リコティ峠はジョージアの分水嶺になっている。

8:10 車で宿出発。
8:35 1班(私の班)道路標350km地点より歩行開始。1班は残念ながらリコティ峠は歩かない。
10:10 鉄道横断。小雨が降り始める。歩行中雨に会ったのはこの日だけだったが。
12:15~45 363km地点で昼食。幸い雨は上がり、曇りとなる。
16:15 1班の終了地点377km到着。
17:05 車で宿に行く途中、リコティ峠はトンネルではなく旧道を行き、峠からの景色を楽しむ。
18:30 Borjomiの予約した宿に中々たどり着けず。たどり着いた宿は大変な宿だった。詳細は後編で。

 
 出発地点               1日中、川沿いの道。低い山間部に入る

 
 ジョージアの西と東を結ぶ唯一の幹線道路E60だが牛も豚も歩けるほどの交通量だ

 
偶々食堂があったので、ここで昼食     午後は山間部にはいる

 
 長ーい貨物列車に遭遇。山・川・列車                若者が笑顔で話かけるが先を急ぐ

 
 1班歩行終了地点         リコティ峠RikotiPass、標高1000mよりこれから歩く方向を望む  
 
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