幻のツィーラタール縦走路
イタリアとの国境沿いのツィーラタール縦走路ZillertalalpenwegをKasseler小屋からBerline小屋、Furtschagl小屋へ、3000m前後の峠を3つ越えるルート
2001年8月30日
9月5~6日


ツィーラタール縦走路と山小屋

*オーストリア・トレッキングで一番楽しみにしていたコースである。
山小屋から山小屋への縦走、山小屋のテラスで歩いて来た道を眺めながらビール

8/30 前夜Mayrhofenのペンションに泊まる。
以下『・・・』は当時の手記(一部補填)
『6:00 起床、今日からツィーラタール縦走路2~3泊の予定。
 8:00 GruneWand小屋行きのミニバスに乗る。縦走なのでバスの方が良い。
 8:40 歩き始める。氷河に向かって歩く。
 10:30 雨が降り始める。大粒の雨、雨具は万全なので、濡れる心配はなし。
 11:00 Kasseler小屋着。今日は次のGreizer小屋まで後4時間歩く予定。小屋の人は「今日は間もなく雨は止むが、明日、明後日は大雨になる」との予報を知らせてくれた。しばらく考えた末、今日は下山し後日改めて挑戦する事にする。ここまで来て撤退は残念だがまだ1週間以上の余裕がある。
 11:40 小屋から下山開始。
 14:00 バス停着。運よくすぐにバスに乗れる。しかし、このバスに帽子を忘れる。思い出の多い帽子だったので、1時間かけて取り戻す。
 19:30 Mayrhofenのレストランで夕食を食べながらこの手記を記す。空を見上げると薄い雲はあるが、青空が大部分。もしかすると!?。
 20:30 屋外テントでビールを飲みながらチロル音楽の生演奏(1.5時間)を楽しむ。手をたたき、乾杯し、客と一体になって盛り上げてくれた。

 
Kasseler小屋付近                   バス停からこれから歩く山を仰ぐ

 
 まだ雨は降っていない

 
 Kasseler小屋のテラス、雨は降っているが、遠くは見える


 Kasseler小屋から今日歩く予定だった山々を見ながら引き返す。残念!!

8/31 残念ながら朝から雨。おかげで予定外のインスブルックの市内観光ができた。
 
 インスブルック観光名所、黄金の小屋根             大聖堂

9/1 午後再びMayrhofenに来て明日からのツィーラタール縦走路に備える。しかし、ヒンタータックスのリフトに乗った所、リフト頂上の2600mでは雪が5cm積もっていた。縦走路にも雪は降ったろうし、天気予報も芳しくないので、雪の解けるのを2~3日待ってから縦走路に再挑戦することにする。』

9/2~4 はオーストリアの西端のレッヒLech等でトレッキングをした。

『9/5 朝Ventの村に居て雨の中散歩に出る。雨なのに歩いている人が結構いる。明日から天気が回復しそうなのでツィーラタール縦走路に再挑戦のため、今晩はMayrhofen泊の予定だった。しかし、予報が変わり明日は晴れるが、明後日はまた雨とのこと。雨の中の散歩で閃いた。Berline小屋の標高は2000m程でそんなに高くない。今日雨の中をBerline小屋まで歩き、明日の晴れ間を利用して次の山小屋を目指すという妙案が浮かんだので、早速実行に移す。
10:20 Vent村出発。途中車の中で昼食。レストランで昼食すると1時間はかかるので、
14:30 Breitlahnerのバス停近くに車を置き、歩き始める。ここは8/30に入山したツィーラタール縦走路の反対側の入山路である。
17:30 Berline小屋到着。コースタイム通りだった。途中雨は止まなかったが、前後に2~30人の登山客が歩いており、こころずよかった。
オーストリアの山小屋:初めての山小屋生活に始めは戸惑う。
 1.受付は1時間毎。17時の次は18時、その間は受け付けない。
 2.濡れたものは乾燥室に干す。
 3.部屋は安い大部屋から快適な個室まである。私は予約なしで個室に泊まれた。個室は少し寒かった。
 4.広いセルフサービスの食堂兼サロンで時を過ごす。
さて、明日の予定は?晴れたらツィーラタール縦走路を歩き、Greizer小屋まで5時間の予定。雨だったら??
20:00 外は雨から雪に変わっていた。・・・・』
 
 Berline小屋付近                        Breitlahner(バス停)

 
 3時間でBerline小屋到着。ずーっと雨だったので写真なし    Berline小屋の個室

『9/6 夜中雪、小屋の周りはそう積もっていないが、高い所は相当積もったようだ。今日の予定は変更。
8:00 朝食。朝からインスタントご飯。小屋で食事も出るがアレルギーの心配があるので持参した。
9:20 小屋に荷物を置き、今日歩く予定だった道を行ける所まで、又は1時間行って引き返すことにして、歩き始める。誰も歩いていない新雪の道を一人で行く。道ははっきりしていて見失う恐れはない。一時的に晴れ間がのぞき、遠くが見えるようになる。
10:20 引き返す。会ったのは羊の群れだけ。一人だけの世界だった。雪さえなければこの道を進んで4時間で次の山小屋なのに!まあ、新雪の世界を独占出来ただけでも幸せだ。(後日の後悔:小屋からSchwarzseeまでのコースタイムは1時間なので、Schwarzseeまで行けばよかった)
11:20 小屋に戻り昨日の道を下山開始。昨日Berline小屋に泊まった人は下山するか、1日待つかするようだった。
14:30 Breitlahner着。
明日も雨模様だし9/9には飛行機にのるので、ツィーラタール縦走路は幻に終わった。しかし、出発点と中間点を歩けたので良しとしよう。』
 
Berline小屋前、昨晩の飲み仲間、これから下山するとのこと     私はSchwarzsee方面へ

 
 新雪の山々                        羊も登山道を利用している

 
 誰も歩いていない新雪の山を歩く          遠くが見え始めたがそろそろ引き返す時間となる

 
 下山途中のAlpenrose小屋、昼食。        Klausenalm小屋、陽が射してくる


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