アンジェラス・ピーク
Angelus Peak
2004年2月29日~3月2日


当時使用した地図、赤線は後日入れた

ニュージーランド(カナダもそうだったが)では山から山へ稜線沿いに登山道が作られていることはめったにない。このような道を歩きたいと探した所、1か所だけ見つけた。これがアンジェラスハットに向かう稜線上の道である。ここはネルソン・レイクス国立公園のSabine Circuit の中にあるが、ガイドブックやパンフレットでは谷沿いの道がメインで、稜線上の道の記述は極めて少ない。天候も不安定だったが思い切って行ってみると想像以上に素晴らしい山々だった。

                   以下『・・・』内は当時の手記
『2/29  9時半 St Arnaudの町のDOCで天候を聞くが、あまり芳しくない。一応小屋代を払い天候待ち。湖を見たりしながら登山口のPに行くと晴れ間がのぞき始める。早速支度をして出発することに決める。
12時半 出発。とたんにまた雨。今日のコースは尾根沿いなので、雨、風に弱い。1時間ほど登って悪化したら引き返すつもりで歩く。雨は強くないが冷たい風と雲で視界は50mほど、まあ見えるほうだ。
2時間ほど歩いた所の避難小屋で2人ずれに会う。話をする暇もなく、私の行く方向に向かう。彼らが行くのだから大丈夫だろうと、完全装備で出発する。いよいよ尾根に出るが雨は小雨程度で、30~50mおきにあるポールとケルンを頼りに歩く。ひたすらポールから次のポールと見失わないように歩く。
16時 アンジェラスハット着。雨具を脱ぐと下はそれほど濡れていない。人は私を含め8人。
ここで、大失敗に気ずく。今までの小屋は全てコンロ完備だったので、今回もそうだろうと思い車に置いて来たのだ。どうしよう!!しかし、すこし救われたのはストーブに火が入っており、上にやかん。湯さえあればたいがいの料理はOKだろう。ということで、夕食はインスタント食品。
21時 就寝。夜中、霧、星なし。』

 
 Lake Rotoiti                 ガスの中のポール

『3/1 7時半起床。朝はストーブ無しなので、近くの人に湯を一杯沸かしてもらい、朝食を作る。8時半頃から青空が見え始める。天気予報は晴れ遅くなると雨。(この小屋にもう1泊の予定)
9時 目的地はアンジェラス・ピークとして散策に出発。管理人から道を聞いて行ったが、出発点から違うようだ。なにか頼りない年配の管理人だった。一応もう一つの湖のそばを通るということは理解でき、その湖(双子の湖)へと道のないところを適当に歩く。湖の側まで来て左側から行こうとしたが湖からの沢が流れだしていて渡れそうにない。湖の右側の高い所を行くと、(道はないが)ケルンが現われ始める。ケルンは途切れることなく続いているが、アンジェラス・ピークに向かう最後の所で、左側からなら簡単に登れそうなのに(探したが)右側に向かうケルンしかない。右側からでも行かれるだろうケルンに導かれ右に向かうと峠(Snnset Saddle)に出る。(注、この道はアンジェラスピークではなく、Hopeless Hutへの道であることに後日気ずいた。)
峠の向こう側も山々が連なっている。アンジェラス小屋の方を見ると、アンジェラス湖を中心にぐるりを山が囲み(といっても峠から見て右側1/4ほどには山はない)箱庭のようだ。空は快晴ではないが雲の動きが早く雨の心配もある。』

 
 最近見つけた地図、Peakへの道も描かれている   早朝のアンジェラス・ピーク

 
 双子の湖の左側に行ければ近いのだが      双子の湖の右側を行く

 
 

  
     双子の湖のアンジェラス・ピーク側からの眺望

 
                        何処から登ろうか


 
 大分登って来た                双子の湖とアンジェラス湖が見える

 
 Sunset Saddleの向こう側           アンジェラス・ピークの後ろの山々         

『峠からアンジェラス・ピークに向かう道は私には無理のようなので、峠から右側のピークに向かい20分程で到達する(12:20)。ここを今日のピークとする事にし、小屋に引き返し始めると、2人の人が先ほど左側に道はないか探したあたりにいて、小屋の方に向かっている。という事はピークの左側から来たとしか考えられない。(私とすれ違わなかったから)そこで、下山途中先ほど2人がいた辺りを探すと、大分離れた所にケルンがある。今までの1/3程の数だが、ケルンがあるので登ることにする。ケルンはあるが、道はないので易しそうな所を登り、最後はズルズル滑る砂利ではあったが、意外に短時間に登れた。
13時 アンジェラス・ピーク(2075m)登頂。やはりピークに登るのは気持ちが良い。
15時 アンジェラス小屋に帰る。』

 
 アンジェラス・ピークからの眺望 アンジェラス湖方面  ピークから四方を撮る  

 
 アンジェラス・ピークからの眺望

 
 

16時半 天候が良くなったので、アンジェラス湖の隣の小さな湖を一周し、写真を撮る。

  アンジェラス・ピーク、朝とは光の方向が逆だ

『3/2 9時 管理人から天気予報、昨晩の予報は朝雨でだんだん良くなるとのことだったが、今日の予報は朝よくてだんだん悪くなるとのこと。急いで下山の支度をする。
9時半 出発。その際管理人から女性を1人同行して欲しい、と頼まれOKする。名前は・・・聞いたが思い出さない。難しい名前、たしか歌にあったような。年配で1週間この山を歩いてきたが、この尾根上コースは初めてとのこと。山の様な荷物を担ぎ、雨の事を心配しながら急ぎ足に歩く。私が雨は2時間は大丈夫だし、1度通った道だからと言うと少しゆっくりのペースになる。
あちこち雲はあるがコース近くは晴れていて、尾根歩きを楽しむ。写真を撮り、休憩しながら。彼女のペースも同じようだが、岩場は慣れていないようで私がルートを示す。』

 
 アンジェラス湖、アンジェラス・ピーク、アンジェラス・ハットが段々小さくなる

 
 小屋の同宿者                 稜線からの眺め

 
 これから越えていく稜線上の山々           Julius Summit(1794)は巻いて行く


 
                        

 
 歩いて来た方向を振り返る 

   
 最後のピークMt.Robert            いよいよ稜線歩きが終わる

 
 標高が下がってきて植生が変わる         最後の下り


『14時半 駐車場着。入山時と変わらない時間がかかった。だらだらした登りがあちこちにあったので時間がかかったのだろう。彼女を宿まで送り、アーサーズ・パスに向け出発するが今夜の宿は途中の温泉と決める。
17時半 Maruia Springs着。ホテルは140ドルなので、20ドルのテントサイト(温泉付き)にし夕食はホテルで食べる。』


 ニュージーランドの温泉、露天風呂もある。


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