小辺路1
2025年4月7,8,9日
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84歳になりみちのくCTを歩き終えたら歩くのを止めようと思っていたが、 熊野古道のブログ等を見ているうちに熊野古道をあるきたくなった。 熊野古道の中では小辺路(こへち)が一番きついとの事でまず小辺路に挑戦。 普通は3泊4日で歩き終えるらしいが、歳を考え6日間で歩く予定である。 4/7 高野山千手院橋~大滝集落 4.5km 4/8 大滝集落~大股バス停 13.0km 4/9 大股~三浦口 15.9km 合計 33.4km |
4/9は「禍福は糾える縄の如し」という諺を実感する日となった。
いや、小辺路最大の山場・伯母子岳(1344m日本200名山、コースタイム6時間)を越える日である。 朝、大股バス停で歩く準備をしていると、スマホの電池が20%しかないとの警告音が??昨晩充電したはずが何故?昨日ヤマレコの登山アプリ(現在地・歩行軌跡記録)を終わらせなかったのが原因のようだ。暫くするとスマホは電池切れになった。 小辺路のルートは伯母子岳山頂を通らないのだが、ルート上に崩落があり迂回路が山頂経由になっている。11時、迂回路のお陰で快晴無風の伯母子岳山頂に立て、360度のパノラマを楽しみながら昼食をとった。 伯母子岳を下山した所は三浦口といい、ここには小さな民宿が2軒ある。2か月前に2軒の宿に電話したところ満員だった。予約できたのは三浦口から10km程離れた民宿で、送迎なしである。三浦口からこの民宿までのタクシー代は迎車料金を加えて1万円程と言われ覚悟をしていた。しかし、4月に入ってから民宿に電話してみると「今年は4月から小辺路バスが運行します」と言われた。小辺路バスとは毎年秋の期間限定で三浦口から十津川村の宿まで運んでくれるバスである。今年から春も運行することになったようで、ラッキーと思った。しかし、予約制で1日1便、三浦口16時発だけである。 というわけで、16時には三浦口に着かなければならない。伯母子岳を下り上西家跡に13時に着いた。そこには三浦口まで2時間と書かれていた。下りで道も整備されているので3時間あればゆっくり到着できると思ってしまった。しかし、14時頃から急な登り下りが始まり、15時になった時残り1.9kmの標識があった。あと1時間という事で、ペースを挙げる。最後は長い急な下りになる。15:50まだまだ急坂が続くがペースが上がらない。 16時になってしまった。急な下りはまだ続く。スマホは電池切れでバスに連絡できない。とたんにペースが落ちる。バスに乗り遅れたので宿までどう行こうか。歩きか、タクシーかヒッチハイクか色々な雑念が頭をよぎる。最後は休憩なしで歩いて来たので、足が重くバランスを崩さないよう慎重に歩く。 16:20頃下から人が登って来た。❓❕昨夜の民宿の夕食で隣席だったカナダ人のテレサ(母が日本人で日本語が話せる)である。テレサの話では今日の小辺路バスの乗客はテレサと私の2人だけで、バスの運転手さんに私の事を話した所(昨晩テレサに私も小辺路バスに乗る事を話した)、私の到着を待っているとのことだった。チョウラッキーである。バス停に着いたのは16時半だった。テレサ、運転手さんありがとうございました! 今回の小辺路は明日、三浦峠を越え十津川温泉まで行く予定だった。しかし、今日最後の下りの疲れ具合に不安を感じ、又、宿で天気予報をみると明日は小雨模様との事で、今回の小辺路はこの宿で終わりにする事にする。 明日は帰宅するだけだが、帰り道に吉野の近くを通る。調べると吉野の下千本、中千本の桜は今日満開とのことである。千載一遇のチャンス。明日は花見だ。スマホを頼りに行き方をしらべる。 「禍福は糾える縄の如し」この諺は翌日もつずいた。 4/10 朝の天気予報では奈良県吉野地方の雨の確率50%、宿の主人の話では「先ほどパラっと来た」との事。雨の中の花見も良いかと覚悟を決める。 8時前の「JR五条駅」行きのバスに乗る。この宿は小辺路を歩くには不便だが、吉野に行くバス停の近くにある。スマホによると五条からJRに乗り、吉野口で近鉄に乗り換え吉野には10時半に着く予定だ。ただし五条でのバスとJR乗り換え時間は2分である。バスの運転手さんに聞くと「このバスは五条駅からこのまま近鉄福神駅まで行くので、福神で近鉄に乗ったらどうか」とのことである。五条周辺の地理は不案内だが「五条駅行きのバス」が福神駅に行くのだから5分もあれば福神駅に着くだろうと思い、運転手さんの言葉に従う。バスは五条駅に定刻に着いたが、もし下車したら予定の電車に乗れたかは微妙な所である。しかし・・・バスは五条駅から30分経っても福神駅に着かない(運転手さんは「このバスは五条駅で行先を福神駅に変えて、福神駅に行くのでJRに乗らずに近鉄で吉野に行ける」と言いたかったようだ)。 結局吉野に着いたのは予定より30分遅い11時だった。 大きな荷を預け、雨具を持って吉野駅を出ると満開の桜が待っていた。バスで中千本に行きバスの誘導員に聞くと、「今日は上千本が満開になった」とのことで、上千本の吉野水分神社まで歩く。そこから改めて上千本、中千本、下千本、吉野駅(15時)まで歩く。上千本では満開の桜が眼下に広がる中、持参の柿の葉寿司の昼食をとり、中千本では土産にちりめん山椒、奈良漬を買い、下千本では桜吹雪の中で名物のくず餅を頂く。 雨にもあわず満開の桜の下4時間逍遥する。生涯最高の花見であった。 「終わり良ければ総て良し」 ![]() 上千本にて ![]() ![]() 下千本にて 4/7 小辺路の出発地点は高野山で、通常1日目は高野山から大滝集落まで約17kmを歩く。自宅を早朝に出ると高野山に着くのは11時過ぎになるのでその日のうちに17km歩くのは無理である。また、高野山には見るべき所が多数あるが、過去に2回来ていて見るべき所は一通り見ているので、高野山観光は無しとした。 そこで今日は17kmの一部分、大滝集落までの5kmを歩くことにした。しかし、今夜の宿は高野山にあるので、大滝を終点にすると帰りの足に苦労しそうなので、大滝から高野山に向かって歩く事とした。小辺路の歩き始めが大滝になるが、合理性を優先した結果である。 自宅を早朝に出て、大阪から南海線経由で高野山奥の院、さらにタクシーで大滝集落に着いたのは12時だった。 ![]() ![]() ヤマレコによる歩行軌跡 12:20 大滝から御殿川に向かって急な下り坂 ![]() ![]() 12:30 御殿川に架かる橋を渡る 今度は急な上り坂 ![]() ![]() 12:50 手入れされた畑があり、林道はここで終わり山道になる ![]() ![]() 13:40 遠くの展望が開ける 14:00 薄峠、山道が終わり林道が始まる ![]() ![]() 14:10 緩い下り坂の林道、ほぼ直線だ 14:50 ろくろ峠 ![]() ![]() ろくろ峠には大滝口女人堂跡の説明板がある 15:05 高野山の市街地に入る ![]() ![]() 15:20 高野山千手院橋にある宿坊協会、小辺路の始点 この日の宿、成福院(じょうふくいん) ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ 4/8 タクシーで昨日の歩行開始地点に着いたのは9時だった ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 9:00 昨日のタクシー下車地点付近から歩行開始 9:15 大滝集落の中を歩く。小辺路は歩く人が多い ![]() ![]() 9:20 集落の中に小辺路を歩く人のための休憩所あり 9:40 集落を抜けると緩い登りの山道が始まる ![]() ![]() 10:00 高野龍神スカイラインが見えてくる。暫く車の多いこの道を行く 10:15 ![]() ![]() 10:45 スカイライン歩きはここでお終い 11:25 しばらく急登がつずく ![]() ![]() 11:40 平坦な林道となり 11:45 舗装された立派な林道が始まる ![]() ![]() 12:20 立派な東屋、ここでは休憩せず 12:45 明日登る伯母子岳? ![]() ![]() ![]() 13:00 平辻 ここには地蔵様が 13:10 しばらく山道が ![]() ![]() 13:50 また林道に復帰、この林道をそのまま下り今夜の宿に 14:30 民宿かわらび荘着 ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ 7/9 ![]() ![]() 実際の歩行軌跡、D地点で電池切れ 電池切れのはずがA地点で復活している。理由は不明、測定点は少なくなっているようだ ![]() ![]() 7:20 大股バス停、スマホの電池残り20% ![]() ![]() 7:30 大股集落の最上部からの眺め 7:32 山道になり、急登が始まる ![]() ![]() 8:15 急登が終わりなだらかな道に 8:30 萱小屋跡にある避難小屋で休憩 ![]() ![]() 9:50 桧峠付近、さすがに小辺路は歩く人が多い 10:05 伯母子岳らしい山が ![]() ![]() 10:35 伯母子岳分岐 左に行けば小辺路の 11:10 伯母子岳山頂直下、直登ルートは登山道なし踏跡 伯母子峠だが直登して伯母子岳山頂へ 程度(小辺路は山頂を通らない) ![]() ![]() 11:10~30 伯母子岳(1344m日本200名山)山頂 快晴無風の山頂 ![]() ![]() 山頂より四方 目立つ山はない ![]() ![]() 山頂はランチタイム、手前は新婚のカナダ人夫婦 12:15 伯母子岳から正規の小辺路に復帰 カナダ人男性とは昨晩温泉で話をした ![]() ![]() 12:50 なだらかな下り坂 13:00 ![]() ![]() 14:00 14:15 水ヶ元茶屋跡、ここから急な登り下りが始まる ![]() ![]() 15:05 三浦口1.9kmの標識 16:30 三浦口(三田谷橋)太陽が眩しかった 痙攣予防 3/26に陣馬山に行った。4月初めに小辺路を歩く予定だが昨年の10月以降、筋トレ以外長距離を歩いていないので、トレーニング登山のつもりである。当日は晴れて暑い日だったが、強風が吹き荒れていた。 さて、相模湖駅から歩き始めて3時間半程で明王峠に着き、小休止後暫く歩いていると右足ふくらはぎに痙攣が来た。そこで、かねて用意の芍薬甘草湯を服用した。今までの経験では効いてくるのは服用後20分程かかる。少し収まったのでゆっくり歩き始める。すると今度は左足ふくらはぎも痙攣が来た。暫く休憩、収まったのでゆっくり歩行再かい。しかし、また痙攣、芍薬甘草湯をもう一服服用する。また収まったので歩行再開、ようやく陣馬山山頂着。小休止後陣馬高原に向け下山開始。暫く林道を歩き、次に急な登山道を下る辺りからまた痙攣が起きそうになったので、ペースを落とす。その後、痙攣はおきず、無事下山できた。 70歳代までは痙攣した記憶がないが80代になってから痙攣するようになった。しかし、芍薬甘草湯を飲み暫くすれば回復したので、薬さえ持参すれば怖くないと思っていた。今回は薬を飲んでも長時間回復しなかったので、痙攣について調べてみた。 登山中の痙攣は1.筋肉疲労 2.水分不足とナトリウム、カリウム欠乏 3.血行不良、体温低下が原因のようだ。大事なことは痙攣を起さないことなので、私がこの3点を守っているか再点検してみた。 1.については週3~4回筋トレ等を1.5時間やっているのでまあ合格。2.水は十分にとったが、ナトリウム、カリウムは欠乏した可能性あり。3.今回軽登山靴を新調したので紐をきつめに締めてた。また、気温は高めだったが強風だった。 そこで、今回の小辺路では2.対策として経口補水液を飲み、梅干し、昆布等を口にし、3.対策は靴紐を締めすぎないように注意した。登山にはスポーツドリンクが良いとは聞いていた(飲んではいない)が、経口補水液の方がより良いというのは知らなかった。 今回の歩行では痙攣は起きなかった。 小辺路2 へ行く トップページ へ行く |