遍路・徳島県Ⅰ
自転車遍路
2013年11月1~6日



2013年の夏頃から遍路に行こうと考えていた。歩きだと時間がかかりそうなので自転車と歩きを組み合わせれば満足の得られる遍路になると考えた。当時は月曜日と木曜日は孫の送り迎えがあるが、この週は月曜日が祭日なので金曜日から水曜日までの6日間の予定で第1回の遍路に出かけた。出発地は遍路の常道どおり徳島県の第一番札所霊山寺である。自転車遍路であるが、自転車を何処に送ればよいか分からなかったので、1日目の宿に送った。従って1日目は歩き遍路である。2回目の遍路からはヤマト運輸の営業所あてに送る事を思いつき、以後は初日から自転車遍路が出来るようになった。

11/1 早朝に自宅を出発、羽田空港から徳島空港、タクシーで1番札所の近くの大麻比古神社(阿波の国一ノ宮)に行き、ここから歩きだす。遍路は寺を参拝するのだが、四国には神社も多く寺だけ参拝するのも神様には申し訳なく、初めに神社を参拝する事にした。またこの日の10日前には伊勢神宮に行く機会があったので伊勢神宮で初めて御朱印なるものを頂いてきた。
 
9:30 大麻比古神社(阿波国一ノ宮)参拝、遍路の1番札所の  樹齢1000年の大楠
隣に阿波国一ノ宮があるのは偶然?
 
大麻比古神社から霊山寺に至る道           10:00 1番札所、霊山寺(りょうぜんじ)仁王門

 
霊山寺本堂、巡礼のための白衣、輪袈裟、数珠をそろえる。   霊山寺多宝塔

遍路ではどう参拝しても良いとは書いてあるが、一般の参拝の手順を参考に次のように決めた。
私の参拝手順  1.山門を入る時手を合わせ、一礼して境内に入る。2.水屋で手と口を清める。3.鐘楼(しょうろう)で鐘を2度つく。(禁止の寺が多い)4.本堂で参拝(後述)。5.大子堂で参拝(後述)。6.納経所で墨書と御朱印をいただく。7.山門を出る時、合掌礼拝。省略せずに全て行うと30分はかかる。
本堂での参拝手順 1.ロウソク1本、線香3本をともす。鰐口を1回鳴らす。 2.納札を所定の箱に入れ、お賽銭をあげる。3.納経。「佛前勤行集」の経の幾つかを読む (イ)合掌礼拝 (ロ)開経偈(かいきょうげ) (ハ)般若心経(はんにゃしんぎょう) (ニ)御本尊御真言、3回(寺の御本尊によりことなる言葉) (ホ)光明真言(こうみょうしんごん)、3回 (ヘ)回向文(えこうもん)
大子堂での参拝手順 本堂での参拝手順とほぼ同じだが、(ニ)御本尊御真言は省略、その代り(ホ)光明真言の後で大師宝号『南無大師遍照金剛』と3回唱える。

 
11:00 2番極楽寺山門 1番から2番までは県道を10分ほど歩く。   階段の上に極楽寺本堂、参拝

 
11:30 極楽寺を出て村の中の道を30分程歩き、最後にあぜ道を抜けると次の寺に着く

 
12:15 3番金泉寺(こんせんじ)本堂         金泉寺大子堂
金泉寺境内で握り飯の昼食

 
13:50 3番から4番までは5kmほどある。ここから歩道に入る。  墓の間の細い道を通り

 
竹藪を抜けると                    コスモスの向こうに高速道路が見え

 
14:40 4番大日寺山門が見えてくる          14:40~15:10 大日寺参拝

 
15:40 4番から2km歩くと5番地蔵寺仁王門      15:40~16:10 地蔵寺参拝
17:00 5番から3.5km歩いて今夜の宿、民宿寿食堂に着く。
遍路の初日は16km、5ケ寺打つ(参拝)ことができた。歩いている時間より参拝している時間のほうが長いようなきがした。しかし、参拝の手順は覚えられず、読経はつっかえつっかえである。宿に着くと風呂、洗濯、一杯飲んで夕食、今日はさらに宿に分解して送った自転車の組立に1時間ほどかかる。すると睡魔が訪れ遍路の余韻に浸ることなく熟睡。
  11/1 歩行距離:16km

   
伊勢神宮・内宮御朱印    伊勢神宮・下宮御朱印    阿波一ノ宮・大麻比古神社御朱印



 
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11/2 7:20 出発。今夜の宿は決まっており、自転車遍路の初日なので早出とする。しかし、5分も走らないうちにトラブル発生。足が自転車に積んだ荷物にぶつかり漕げない。早速荷物の積みなおしをする。やれやれと走りだすとギヤが上手く入らず、また、走っている時に自然にギヤが変わってしまう。これは自分では直せそうにないのでギヤが変わらないように、力を入れずに漕ぐようにした。さらに、12時頃にはチェーンが外れ、ギヤの間に挟まり、20分程悪戦苦闘する。しかし、やはり自転車の威力か12時までには5つの寺を参拝できた。

 
7:40 6番安楽寺(あんらくじ)、山門が中国様式?宿から安楽寺までは2km程      安楽寺本堂
温泉山安楽寺なので温泉が近くにある。
 
安楽寺大子堂          6番から7番までは約1km  8:30 7番十楽寺(じゅうらくじ)山門

 
十楽寺本堂                     十楽寺大子堂

 
7番から8番までは約4km         8:40  8番熊谷寺(くまだにじ)仁王門 

  
熊谷寺本堂                     熊谷寺大子堂

 
8番から9番までは約2.5km 遍路の相棒、長年の愛車  10:40 9番法輪寺(ほうりんじ)仁王門

 
法輪寺本堂                     法輪寺大子堂

 
9番から10番までは約4km、10番は高台にあるので最後は自転車を置いて徒歩。
11:30 10番切幡寺(きりはたじ)本堂          切幡寺大子堂

 
10番から11番までは約9km、途中に四国一の大河吉野川を潜水橋で渡る。
12:50 まず吉野川の支流の川を渡る。        13:00 ついで吉野川本流を渡る

 
潜水橋は欄干は無いが、車も渡れる(すれ違いは出来ない)    14:10 11番藤井寺(ふじいでら)山門
 
 
藤井寺本堂                     藤井寺大子堂

歩き遍路の場合は11番から12番へは山道を13km、半日かけて歩く。しかし、自転車でこの道を越せないので山を迂回する事にした。その場合、迂回ついでに17番から逆に参拝する事にした。(遍路では参拝の順序は自由である)しかし、11番から17番までは平地ではあるが約18kmあり、1時間半ほどかかってしまった。
 
16:00 17番井戸寺(いどじ)山門           井戸寺本堂

17番から16番までは約3km
 
16:50 16番観音寺(かんのんじ)山門、納経所は17時で終わるので、先に御朱印を頂いてから参拝。 本堂

 
観音寺大子堂                    17:30 宿の鱗楼は観音寺のすぐ近く

11/2 自転車走行距離:44km
*御朱印の印鑑:以下の御朱印の中で九番法輪寺だけ他とは違うのが分かるだろうか?3ヶ所に押された朱色の印鑑が九番には2個ずつ計6個あるのが他の寺の御朱印とは違う所だ。何故2個ずつあるかというと、後日もう一度九番を参拝したからである。2回目に御朱印を頂くと新しいページに書くのではなく同じページに3個の朱印だけを押し、墨書の所は省略する。これを重ね印と言うらしい。遍路を100回しても納経帳は1冊で済むということである。しかし、納経帳は真っ赤になり、重さが2倍ほどになるという話だ。
  

  

  

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11/3 7:30 宿出発。9時頃また自転車のトラブル発生、後変速機のワイヤーが抜ける。私の手に負えそうにないので自転車店にTelするが、生憎日曜日で何処も休みの様で出ない。幸い市街地だったので近くの家の人に手助けしてもらう。一時は修理不能かと思ったが後ギヤ7段の低速側2段目に固定して乗れるようになる。前3段変速だけで山道を乗り切ることになる。以降前3段変速だけで不便を感じなかったので、このまま今回の遍路を乗り切った。自転車の故障に備えて沿道にある自転車店の位置とTelは調べておいたが、肝心な時には役立たないものである。

 
宿から15番までは約2km 7:40 15番国分寺本堂、屋根が独特。  国分寺大師堂

 
15番から14番までは約1km 8:20 14番常楽寺(じょうらくじ)本堂       常楽寺大師堂

 
14番から13番までは約2km 9:40 13番大日寺山門  大日寺(だいにちじ)本堂

 
大日寺大師堂         大日寺の隣にある一宮神社にも参拝、昔はここが阿波国一ノ宮だったらしい。

13番から12番までは26km(内徒歩3km)。鮎喰川に沿って自転車で標高差200m登り、更に徒歩で標高差450mを登る。幸い自転車の区間は急な登りは無かったので助かる。

 
10:20 鮎喰川を渡る                11:30 川幅が大分狭くなる
 
13:30 今夜の宿なべいわ荘に自転車を置き      13:50 ここから車道を離れ歩道を歩く

 
14:20 結構山の中だが人家は多い          15:00 見上げると焼山寺が見えてきた

 
15:10 12番焼山寺(しょうさんじ)山門、標高700m   焼山寺本堂

 
焼山寺大師堂                    四国でも紅葉が始まっていた。

17:00 遍路宿なべいわ荘着。夕食時食堂の10人中女性は6人、その内2人は韓国人。男性4人の内1人はカナダ人。遍路ころがしと言われる山越えをしてきた所なので皆話が盛り上がっていた。遍路も国際的である。
   
  自転車走行距離:28km  歩行距離:6km

  

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