遍路・香川県Ⅰ
2015年10月17日~19日
自転車遍路・66番雲辺寺から76番金蔵寺まで



今回の自転車遍路は2015.10.14に愛媛県松山市の55番南光坊から打ち始め、10.16に65番三角寺を参拝し、16日は愛媛県から少し徳島県に入った池田町の遍路宿に泊った。宿は愛媛県と香川県の県境まで5km程の深い山の中にあった。
次の66番雲辺寺は徳島県と香川県の境の雲辺寺山の頂上直下910mにある寺で、遍路最高所にある。ロープウェイや自動車でも参拝できるが、徒歩や自転車遍路にとっては難所である。自転車で登る道は始めに登ってから尾根道を行くルートと国道を下ってから一気に登るルートの2本あり、最後まで迷ったが宿の主人の助言で後者に決める。この日はその後香川県三豊市の従兄の家(父の兄弟の子供)に行く予定だったので、下山路は決まっていた。

10/17 6:40 出発。下り坂なので20分もかからずに雲辺寺直下の登り口(標高150m)に着く。その後はツズラ折の県道を自転車に乗って漕いで、降りて押して、道幅一杯ジグザグに乗って、押して、登る。急坂を喘ぎあえぎ登る時、自転車遍路はこれでおしまいにしようと毎回思う。
9:40 標高770mの地点でギブアップ。この地点に自転車を置いて更に40分、徒歩で登る。
10:20~11:20 66番雲辺寺(うんぺんじ)(910m)参拝、昼食。
自転車まで戻り、午後は下り基調のサイクリング、国道32号に出て50m程登り、又下り基調の道。
14時 安藤の本家に着く。当主(従兄)とその息子さんの出迎えを受ける。早速墓参り。父の分骨が納められた先祖の墓に参拝。初めは話がかみ合わなかったが、その内昔のことを思い出し、話に途切れが無くなる。私が小学生の頃夏休みにこの家に1か月ほど滞在したこと、従兄が終戦後東京の私の家に滞在して大学に通った事などを。従兄と息子の奥さん方は16時頃帰宅したが、所用で料理を作る時間が無い(祭りで?)との事で、観音寺で食事をし、私はそこで泊まる事になる。男3人の食事会も会話が盛り上がった覚えがある。
20時 食事会が終わった所で観音寺は今夜、祭りで賑わっている事を教えてもらったので、見物に出かける。2日前の西条市でも祭りに遭遇し、真夜中の祭り見物に出かけた。観音寺の方が祭り全体の規模は小さいが、だんじり(ちょうさ)の造りは大きかった。
観音寺ちょうさ祭りについては独立したページとして以下に詳細に記しました。
     西条祭りと観音寺ちょうさ祭り
昔従兄の家に行った理由:従兄が東京の大学の夏休みに実家に帰省した際、私も同行した。その頃小学生だった私は酷い蓄膿症だった(らしい)ので、その治療のため来たのだ。屋島付近のお灸の先生の所に行き、お灸の場所を決めてもらい(手三里付近)あとは自分でお灸を据え、その後何年もお灸を続けた。その頃から勉強をするのが好きになった気がする。都立大学に入学できたのはお灸のおかげかもしれない。今でもお灸の跡は残っている。

   10/17 自転車走行距離:34km      
 
6:40 民宿の主人に見送られ、出発      7:00 ツズラ折の登りが始まる


8:00 後4kmだが雲の彼方のように遠い  9:30 遂に自転車を放置して徒歩で


10:00   歩き遍路の道                                   10:20 雲辺寺山門にたどり着く

 
10:20~11:20 66雲辺寺参拝、昼食   本堂     大師堂

 
12:40 雲辺寺からの下り、下りで道を間違えると悲惨な目にあう、左に行く。  13:00 ここも左だ。

 
20:30 観音寺ちょうさ祭り、普段は車輪を付けて引くが、要所で車輪を外し持ち上げて気勢をあげる。 
ちょうさ(太鼓台)の重い物は3トンもあり、持ち上げる(かきあげ)には150人の人が必要との事。

               
    ********              ********

10/18 朝、従兄の家に戻り、9:40久しぶりの再会に分かれを告げ、遍路に再出発。
10:50~11:20 67大興寺(だいこうじ)参拝。大興寺を出ると平野になる。両側にため池が散在する。地図を見ると5km走る間に2~30個の溜池がみえそうだ。香川県は溜池県とも言われる(?)らしいが、その通りである。山間部と平野の境目辺りにも沢山ある。溜池は一人では出来ないので共同作業、祭りの盛んなのは溜池造りの延長であろう。
12:50 昨晩祭り見物をした観音寺駅前を通りかかると、丁度ちょうさの行列に出会ったのでしばらく祭り見物をする。昨晩と違うちようさもあった。
13:10~14:00 68神恵院(じんねいん)、69観音寺(かんのんじ)参拝。観音寺境内の一画に神恵院があり、
2つの寺を効率よく参拝できる。明治時代以前は神仏習合で近くの琴弾八幡宮に阿弥陀如来図が安置されていたため、琴弾八幡宮が68番札所だったが、明治時代の神仏分離令により阿弥陀如来図が観音寺の西金堂に移されたため、西金堂を68神恵院本堂としたらしい。宗教も政治には勝てないようだ。
69観音寺を出ると道は財田川沿いを遡る。財田川は従兄の家の前を流れる川で、子供の頃に魚釣りをした覚えがある。
14:30~15:20 70本山寺(もとやまじ)参拝。参拝後本山寺の直ぐ隣にある高良神社(たから)で祭りのかきあげが始まったので、また、祭り見物。ここは三豊市だが、観音寺市と同じような祭りが行われていた。
16:30 71弥谷寺(いやだにじ)の麓にある温泉旅館に着く。弥谷寺まで30分程架かるので参拝は明日にする。

溜池:愛媛県にもため池はあったが、香川県に入るとその数の多さに驚く。地図を見ればそれは一目瞭然である。さらに驚くのは香川県では平地の2~3割が溜池の所も多い。本当にこれ程溜池が必要だったのか疑問に思うほどだ。溜池を潰して田にすれば米がもっと取れるだろうにと思う。もしかしたら江戸時代、税金逃れのため冬は溜池、春になると少し水を抜いて溜池田んぼにし、米を作っていたのかもしれない。(江戸時代役人が検地に来たら前の日に酒を十分飲ませ、「お役人様この溜池は金魚が釣れます。ほら小判、いや金魚がつれました。隣の溜池(実は稲が植えてある)では金魚は釣れませんので今日一日この溜池で釣りを楽しんでください。」とか言ったりして。)

  10/18 自転車走行距離:25km

 
7:30 ホテル近くの砂で描いた銭形                   9:40 従兄家族と

 
10:50~11:20 67大興寺、本堂             大興寺大師堂


大興寺、弘法大師が植えたとされるカヤの木    12:30 香川県に入るとあちこちに溜池が見られる

 
12:50 観音寺駅前で昨晩のちょうさ運行にであう   昼間のちようさは一味違うので、また見物

 
13:10 1つの山門に神恵院、観音寺と掲げられている。 69観音寺大師堂、本堂の写真は取り忘れ

 
68神恵院本堂、1つの寺に本堂2つは不要なのは分かるが?  68神恵院大師堂

 
明治時代以前はこの琴弾八幡宮が68番札所だった   14:00 遍路道は財田川堤防上にある
(前夜祭り見物の際撮影)
 
14:10 70本山寺までの5kmの9割の遍路道がこの財田川の堤防道

 
14:30 70本山寺(もとやまじ)山門           本山寺の五重塔

 
 本山寺の本堂(国宝)                 大師堂

 
15:20 本山寺の隣、高良神社(三豊市)でも祭りの真っ最中   15:40 71番に向かう途中も溜池

 
16:00 三豊市の外れの村祭り、祭りの行列はこれが最後だった。

 
16:30 今晩の宿に到着、大浴場付だ。  18時 部屋からの夕景


     ********                 ********

10/19 今回の6日間の遍路の最終日。
7:30 宿出発。 7:50 71弥谷寺(いやだにじ)山門。山門から本堂までは標高差100m以上登る。
8:10~40弥谷寺参拝。次の曼荼羅寺までは5km程、自転車に乗ればすぐだ。
9:30~10:00 72曼荼羅寺(まんだらじ)参拝。次の出釈迦寺まで1~200mしかないが、上り坂。
10:10~10:50 73出釈迦寺(しゅっしゃかじ)参拝。景色が良いので休憩。次の甲山寺までは3km。
11:00~11:30 74甲山寺(こうやまじ)参拝。次の善通寺までは2km弱。 
11:40~12:40 75善通寺(ぜんつうじ)参拝。昼食。善通寺は空海の生まれた寺で、寺の規模も大きく多くの国宝や重文があり、見学にも時間がかかった。  次の金蔵寺までは4km
13:00~13:40 76金蔵寺(こんぞうじ)参拝。讃岐塩屋駅前のヤマト運輸まで約5km
14:00~14:30 讃岐塩屋駅前のヤマト運輸で自転車分解梱包して自宅へ送る。今回の帰りは岡山から新幹線(ジパング倶楽部利用、ひかりは乗れるがのぞみはだめ)を利用するので、77道隆寺は参拝せずに早めに遍路をやめた。
一日で六つの寺を打った(参拝)したが、参拝にかかる時間だけでも3~4時間である。参拝が雑にならないように心掛けているが、車で遍路すると一日でもっと多くの寺に参拝出来るので、どうしているのだろう。まあ、余計なお世話か。

   10/19 自転車走行距離:20km    今回の遍路(6日間)自転車走行距離合計:204km



 
7:50 弥谷寺山門、 山門を入ると延々と階段が続く。  本堂まで540段ある。

 
108階段と名がついた急階段          8:10 71弥谷寺本堂にたどり着く。

  
 大師堂                     大師堂の奥にある獅子の岩屋

 
9:30 72曼荼羅寺山門            曼荼羅寺本堂

 
10:10 73出釈迦寺山門           出釈迦寺本堂

 
出釈迦寺大師堂             出釈迦寺山門から瀬戸内海方面がよく見えた。


11:00 74甲山寺、山門      本堂              大師堂

 
11:40 75善通寺済生橋             仁王門。善通寺は境内が広いので門が多数ある

 
善通寺本堂                    大師堂

 
善通寺の五重塔               善通寺の門の1つ

 
13:00 76金蔵寺山門              金蔵寺本堂
14時、讃岐塩屋駅で今回の遍路を終了。





    遍路総集編    へ戻る
    トップページ    へ戻る